応用破壊力学研究室
2008.11.28 Friday 16:34
教 授 矢島 浩
准教授 谷野 忠和
応用破壊力学研究室では,大型船舶用厚鋼板やその溶接部の疲労強度,航空機用材料であるアルミニウム合金およびCFRP材の疲労強度などに関する研究を行っています.
2013年度の研究テーマ:
1.ホットワイヤ・レーザ溶接法の実用化
2.低変態温度溶接材の実用化
3.船体用高張力鋼板の強度評価
など
航空機関連の研究プロジェクトについては,2008年11月より JAXA 独立行政法人 宇宙航空研究開発機構 研究開発本部と長崎総合科学大学 新技術創成研究所との間に,共同研究契約を締結し,2012年3月まで以下の研究を行いました。.
−YS-11 (共同研究:JAXA)ー
2006年に航空法の改正に伴って,国内線から退役した日本唯一の国産旅客機であるYS-11は,今後計画されている国産航空機の機体構造設計の参考に資することを目的として,JAXA(宇宙航空研究開発機構)に引き取られた。
現在,そのYS-11退役機の種々の部位について,残余強度の把握が試みられており,長崎総合科学大学でも,JAXAとの共同研究として,YS-11退役機 水平尾翼外板(アルミニウム合金材)の強度評価を行っている.
関連リンク:
YS-11退役機を次期国産旅客機開発に活用(JAXA)

YS-11

試験片寸法および試験片写真(破断後)

試験片寸法および試験片写真(リベット孔有り,破断後)

試験結果(YS-11 アルミニウム合金材)
−次世代航空機材 CFRP (共同研究:JAXA)−
現在,運行されている民間旅客機では,複合材料(CFRP)が機体構造重量に占める割合は,高々10%程度であるが,最近登場したA380(エアバス社)では,20%弱,また,近々登場するB787(ボーイング社)では,50%近くを占めるまでになり,複合材料の需要は急激に増加する傾向にある.
この複合材料のメリットは,従来のアルミニウム合金などに対して,“軽くて強い”ことが挙げられる.最近のエネルギー問題も追い風となって,航空機構造材料に複合材料を適用して機体重量の軽量化を図り,燃費効率の向上を追及する動きが急加速している.しかし,複合材料構造の増加は,航空機の設計のみならず,整備や点検,修理に対しても重大な影響を及ぼしている.この複合材料(CFRP)についても,JAXAとの共同研究を行っている.
本研究では,航空機運行の安全性を確保する上でも極めて重要な,航空機複合材料構造修理部の強度特性の把握を目的として,一般的なスカーフ修理に注目し,スカーフ継手を模擬した試験片を供して疲労強度試験を実施している.

B787に適用される機体構造材料の分布

供試CFRP材料 試験片寸法

CFRP材料 修理部および破断後の試験片

試験結果(CFRP材料)
昨年度は,当研究室の修士2年生1名が,三鷹にある航空宇宙センターに滞在し,修士論文の研究を兼ねて,複合材料に関する研究を行いました.
准教授 谷野 忠和
応用破壊力学研究室では,大型船舶用厚鋼板やその溶接部の疲労強度,航空機用材料であるアルミニウム合金およびCFRP材の疲労強度などに関する研究を行っています.
2013年度の研究テーマ:
1.ホットワイヤ・レーザ溶接法の実用化
2.低変態温度溶接材の実用化
3.船体用高張力鋼板の強度評価
など
航空機関連の研究プロジェクトについては,2008年11月より JAXA 独立行政法人 宇宙航空研究開発機構 研究開発本部と長崎総合科学大学 新技術創成研究所との間に,共同研究契約を締結し,2012年3月まで以下の研究を行いました。.
■ YS-11 水平尾翼アルミニウム合金材の疲労強度評価
−YS-11 (共同研究:JAXA)ー
2006年に航空法の改正に伴って,国内線から退役した日本唯一の国産旅客機であるYS-11は,今後計画されている国産航空機の機体構造設計の参考に資することを目的として,JAXA(宇宙航空研究開発機構)に引き取られた。
現在,そのYS-11退役機の種々の部位について,残余強度の把握が試みられており,長崎総合科学大学でも,JAXAとの共同研究として,YS-11退役機 水平尾翼外板(アルミニウム合金材)の強度評価を行っている.
関連リンク:
YS-11退役機を次期国産旅客機開発に活用(JAXA)

YS-11

試験片寸法および試験片写真(破断後)

試験片寸法および試験片写真(リベット孔有り,破断後)

試験結果(YS-11 アルミニウム合金材)
■ 航空機用 CFRP および その修理部の疲労強度評価
−次世代航空機材 CFRP (共同研究:JAXA)−
現在,運行されている民間旅客機では,複合材料(CFRP)が機体構造重量に占める割合は,高々10%程度であるが,最近登場したA380(エアバス社)では,20%弱,また,近々登場するB787(ボーイング社)では,50%近くを占めるまでになり,複合材料の需要は急激に増加する傾向にある.
この複合材料のメリットは,従来のアルミニウム合金などに対して,“軽くて強い”ことが挙げられる.最近のエネルギー問題も追い風となって,航空機構造材料に複合材料を適用して機体重量の軽量化を図り,燃費効率の向上を追及する動きが急加速している.しかし,複合材料構造の増加は,航空機の設計のみならず,整備や点検,修理に対しても重大な影響を及ぼしている.この複合材料(CFRP)についても,JAXAとの共同研究を行っている.
本研究では,航空機運行の安全性を確保する上でも極めて重要な,航空機複合材料構造修理部の強度特性の把握を目的として,一般的なスカーフ修理に注目し,スカーフ継手を模擬した試験片を供して疲労強度試験を実施している.

B787に適用される機体構造材料の分布

供試CFRP材料 試験片寸法

CFRP材料 修理部および破断後の試験片

試験結果(CFRP材料)
昨年度は,当研究室の修士2年生1名が,三鷹にある航空宇宙センターに滞在し,修士論文の研究を兼ねて,複合材料に関する研究を行いました.