Mech News Blog

機械工学科に関する最新の活動状況などを発信する情報サイト

振動音響工学研究室

教授 黒田 勝彦

■ 統計的エネルギー解析法(SEA)を用いた振動騒音源の同定
および低減方法に関する研究


 可聴音である20から20kHzの周波数に対応する振動騒音解析を実現するため、従来検討されてきたモード解析に代わる、SEAを用いた研究を行っています。本手法は、空間と周波数平均を行うため、従来法に比較してロバスト性があり、ランダムな入力や機械製品の個体差にも十分対応できる解析方法です。
 また、実験や有限要素法を組み合わせることで、低周波数の振動騒音問題にも対応が可能です。
 さらに、最適化法を組み合わせた解析技術も完了しており、振動騒音の低減化された究極な構造をもつ機械製品(船舶、自動車、OA機器等)を生み出すことも夢ではありません。

■ 伝達経路解析を用いた入力同定と伝達寄与に関する研究


 主に自動車分野で利用されている伝達経路解析による入力同定と伝達寄与結果の精度向上や利用方法に関する研究を行っています。
 また、伝達経路解析の結果と統計的エネルギー解析法の結果を比較することで、両手法のロバスト性や結果の精度向上に関しても研究を進めています。

■ 有限要素法を用いた振動騒音解析


 有限要素法を用いた機械構造物の振動騒音解析(シミュレーション)を実施しています。
 また、SEAや伝達経路解析を併用した計算も行っています。使用CAEソフトはANSYS、VA-Oneです。


最適化1
既製品の構造を最適化した結果(○が穴を開ける箇所)

適用例1
最適化結果を具体化した構造


★機械構造物の入力源と伝達寄与に関する研究は、平成25年度競輪補助事業により実施

★振動エネルギー流れに注目した最適設計の研究開発は、平成27年度競輪補助事業により実施

★機械構造物の入力パワーの変動を考慮した高精度の音圧予測手法の開発は、平成29年度競輪補助事業により実施

キーワード
振動騒音解析/統計的エネルギー解析法(SEA)/エネルギーフローモデル/伝達経路解析/入力パワー/有限要素解析/構造最適化/モデル化

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研究室紹介
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流体工学研究室

教 授 山口 裕
准教授 仲尾 晋一郎
准教授 谷野 忠和
助手  宮國 健司



■ 風車の高出力利用および実証試験

−クロスフロー型風車の高出力利用−
 クロスフロー型風車を利用した風力発電に関する研究を行っています.

 クロスフロー型風車を横向きに利用することで,建築物などの屋上など構造物上での設置が可能となり,従来の風車では難しい都市型の小型風力発電用風車の利用が可能となります.また,建物近傍で生じる流れを有効に利用することで,クロスフロー型風車からより高い出力を得られることが期待されます.
 さらに,その他にも,地下鉄への入口からホームまでの通路や,大型車の運転席上部,貨物船のデッキ等で利用することで,クロスフロー型風車を高い出力で利用できるのではないかと考えています.

研究の詳細(*)はこちら
*現在は,さらに誘導板・偏流板等を導入することで,より高い出力が得られる条件等の研究を行っています.

風車イメージ
風車設置イメージ


実験の様子
供試風車
風洞試験装置および供試風車

風車取付高さの検討
風車取付高さの検討

 さらに,構造物近傍の流れを再現するようなケーシング(二偏流板ケーシング)を考案し,クロスフロー風車の出力改善効果(高出力化)を実験的に研究しています。
 これまでの小型模型風車を用いた風洞実験の結果から,最大出力が約40〜50%高くなることが確かめられています。
CRFW_with_DFD
二偏流板ケーシング付風車概略図

−クロスフロー風車の流れ場解析(2006〜)−
 煙風洞試験装置を用いた可視化実験を行っています.クロスフロー風車の可視化実験を行うために,新たに実験用風車を製作し,今までの研究で把握した性能曲線上の各作動点における可視化実験を実施し,風車性能と流れ場との関係を調べています.使用しているカメラは普通のデジタル一眼レフカメラですが,複数のストロボライトを併用し,数千分の1秒という非常に短いシャッタースピードでの撮影により瞬間的な流れ場を捉えることもできます.

平均流れ
平均的な流れ(シャッタースピード1秒)
瞬間的な流れ
瞬間的な流れ(シャッタースピード1/4000秒)

上の2つの写真は,同じ回転する風車の撮影結果ですが,シャッタースピードが1/4000秒では,翼も静止しているように見えます.

 また,オープンソースの数値解析ソフト(OpenFOAM)を用いた垂直軸風車の数値解析を行っています.現在,クロスフロー風車および揚力型垂直軸風車の解析を行い,流れ場と性能の関係などを研究しています。
CRFW_CFD01
クロスフロー風車の流れ(500rpm)
CRFWDFD_CFD01
二偏流板ケーシング付クロスフロー風車の流れ(500rpm)

■ 鳥人間グライダーの製作

−グライダーの設計・製作ー
 グライダー製作では,鳥人間コンテスト出場を目指し,NiAS Gシリーズのグライダーの設計・製作を行っています.

 性能評価と向上のために,翼などの各要素の風洞試験を実施し,得られた結果をもとに最適な翼やキャノピー(風防)を選定し,新しい期待の設計・製作に取り組んでいます.

 グライダーの要素である主翼,尾翼,コックピットについて,それぞれ風洞実験により,揚力,抗力を測定し,グライダーの空力性能に関わる揚力係数,抗力係数,揚抗比を求め,各部の性能を比較検討し,最適な要素を選定しています.

 2005年度には,前年度に設計されたグライダー“NiAS G-12”が書類選考に合格し,その年の7月16日,17日に琵琶湖にて開催された鳥人間コンテストに出場しました.
これは,2003年度に出場した“G-10”以来,3度目!

 G-12の制作活動などを紹介したページはこちら
 G-10の出場時のページはこちら

飛行試験
グライダー飛行試験

製作図面
グライダー製作図面

翼型
グライダー翼型
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研究室紹介
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構造材料強度研究室

教 授 高 允宝


■ 各種鋼材の疲労強度に及ぼす海水腐食の影響に関する研究

海水中における鋼材の疲労強度

●研究背景および目的
 腐食作用によって鋼材の疲労特性は一般的に低下する。このため船舶や橋など海水腐食環境で使用される構造物の安全性を保障するためには,海水腐食疲労強度特性を明らかにする必要がある。

●試験方法
 海水環境下で疲労試験を行うため,試験片に取り付けた腐食液槽を通って人工海水(ASTM D1141)が循環するように構築した図に示す試験システムを用いる。

●海水腐食疲労特性
 図2の破断試験片にみられるように海水中では大気中に比べて著しく酸化する。この酸化によって鋼板表面に腐食ピットが生成されるが,これが応力集中源となって疲労強度を低下させる。図3に大気中と海水中の疲労強度を比較したが,海水腐食によって疲労強度が大きく低下する結果が得られている。

海水腐食試験機
図1 海水腐食試験機

破断試験片
図2 破断試験片

S-N線図
図3 試験結果(S-N線図)


その他
■ FCA鋼溶接構造モデルの疲労強度評価

 異なる溶接継手試験片を供試して,それぞれについて疲労強度試験を行い,溶接継手の違いによる疲労強度の評価を行っている。
研究室紹介
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熱工学研究室

教  授 平子 廉
特命教授 村上 信明

 当研究室は従来 ディーゼル機関の燃焼の研究を実施していたので,「熱工学研究室」と称している。
 現在は,ディーゼル機関以外に風車の研究も実施している。ディーゼル機関の燃焼の研究もバイオマス燃料を使用する研究を実施しているので,「自然エネルギー動力研究室」と称した方が良いかも知れない。
 さらに,最近は不倒コマ(いつまでも回り続けるコマ)の研究も開始した。
 これらを総合すると「回転機械研究室」が適当である。

■ ディーゼル機関における燃料多様化の研究

・研究背景および目的
 ディーゼル機関において,現在の化石燃料だけでなくバイオマスのガス化により生成されるメタノール等の再生可能な燃料の利用を検討する。

・バイオマス メタノール利用の課題
 メタノールは蒸発潜熱が大きいため着火遅れが長く,ディーゼル機関用燃料として使用する場合,燃料供給系などの改造が必要とされる。

・研究概要
 既製のディーゼル機関の燃料供給系の改造を行わず,メタノールを燃料として利用するために,軽油とメタノールを混合した混合燃料を使用する。混合燃料を使用したディーゼル機関の性能を明らかにし,メタノール燃焼の可能性を模索する。
 また,現在利用が拡大しているバイオディーゼル燃料(BDF)を用いる場合の運転特性を研究する。

ディーゼル機関
ディーゼル機関
ディーゼル機関断面図
ディーゼル機関断面図

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研究室紹介
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応用破壊力学研究室

教 授 矢島 浩
准教授 谷野 忠和

 応用破壊力学研究室では,大型船舶用厚鋼板やその溶接部の疲労強度,航空機用材料であるアルミニウム合金およびCFRP材の疲労強度などに関する研究を行っています.

2013年度の研究テーマ:
 1.ホットワイヤ・レーザ溶接法の実用化
 2.低変態温度溶接材の実用化
 3.船体用高張力鋼板の強度評価
など

 航空機関連の研究プロジェクトについては,2008年11月より JAXA 独立行政法人 宇宙航空研究開発機構 研究開発本部長崎総合科学大学 新技術創成研究所との間に,共同研究契約を締結し,2012年3月まで以下の研究を行いました。.

■ YS-11 水平尾翼アルミニウム合金材の疲労強度評価

−YS-11 (共同研究:JAXA)ー

 2006年に航空法の改正に伴って,国内線から退役した日本唯一の国産旅客機であるYS-11は,今後計画されている国産航空機の機体構造設計の参考に資することを目的として,JAXA(宇宙航空研究開発機構)に引き取られた。
 現在,そのYS-11退役機の種々の部位について,残余強度の把握が試みられており,長崎総合科学大学でも,JAXAとの共同研究として,YS-11退役機 水平尾翼外板(アルミニウム合金材)の強度評価を行っている.

関連リンク:
 YS-11退役機を次期国産旅客機開発に活用(JAXA)

YS-11
YS-11

試験片寸法および破断試験片1
試験片寸法および試験片写真(破断後)

試験片寸法および破断試験片2
試験片寸法および試験片写真(リベット孔有り,破断後)

試験結果(YS-11)
試験結果(YS-11 アルミニウム合金材)

■ 航空機用 CFRP および その修理部の疲労強度評価

−次世代航空機材 CFRP (共同研究:JAXA)−

 現在,運行されている民間旅客機では,複合材料(CFRP)が機体構造重量に占める割合は,高々10%程度であるが,最近登場したA380(エアバス社)では,20%弱,また,近々登場するB787(ボーイング社)では,50%近くを占めるまでになり,複合材料の需要は急激に増加する傾向にある.
 この複合材料のメリットは,従来のアルミニウム合金などに対して,“軽くて強い”ことが挙げられる.最近のエネルギー問題も追い風となって,航空機構造材料に複合材料を適用して機体重量の軽量化を図り,燃費効率の向上を追及する動きが急加速している.しかし,複合材料構造の増加は,航空機の設計のみならず,整備や点検,修理に対しても重大な影響を及ぼしている.この複合材料(CFRP)についても,JAXAとの共同研究を行っている.

 本研究では,航空機運行の安全性を確保する上でも極めて重要な,航空機複合材料構造修理部の強度特性の把握を目的として,一般的なスカーフ修理に注目し,スカーフ継手を模擬した試験片を供して疲労強度試験を実施している.

B787構造材料分布
B787に適用される機体構造材料の分布

試験片寸法
供試CFRP材料 試験片寸法

CFRP修理部および破談後の試験片
CFRP材料 修理部および破断後の試験片

CFRP実験結果
試験結果(CFRP材料)

 昨年度は,当研究室の修士2年生1名が,三鷹にある航空宇宙センターに滞在し,修士論文の研究を兼ねて,複合材料に関する研究を行いました.
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研究室紹介
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環境エネルギー研究室 (バイオマス研究室)

教授 村上 信明

 当研究室では、現在、人間環境学部の坂井教授の指導も受けながら、特に「バイオマスのエネルギー利用技術に関する研究」を実施している。

(1) バイオマスのガス化技術の研究

・研究の背景および目的
 エネルギー・環境問題は21世紀人類が共通して取り組むべき緊急課題であり、草木系バイオマスの有効利用は、その有力な選択肢の一つとして広く認識されつつある。バイオマスのクリーンなガス化技術はその中核となるものである。

・研究概要
 本学独自の、バイオマスガス化技術である「浮遊外熱式ガス化法」を中心に研究をつづけている。このガス化法の特徴は、粉体状にしたバイオマスを用いること、ガス化剤は水蒸気のみで、ガス化に必要な熱は反応管外側より供給すること、800〜1000℃の高温で操作することである。

バイオマスガス化模式図1
バイオマスガス化模式図
バイオマスガス化模式図2
一次ガス化詳細図
ガス化反応試験装置
ガス化反応試験装置

(2) バイオマスからの液体燃料製造技術の研究

・研究の背景および目的
 バイオマスのガス化によって得られる水素、一酸化炭素を主成分とするガスにはいろいろの用途があるが、とくに日本では電力とガソリン・軽油に代わる液体燃料に対する要望が強い。そこで、本研究室では、上記のガス化法で作成した合成ガス(水素、一酸化炭素)を原料にした、メタノール合成に関する研究を行っている。

・研究概要
 バイオマスをガス化して得られる合成ガスは、メタノール合成の原料となる水素、一酸化炭素のほか、メタン、エチレンなどの炭化水素や、二酸化炭素、また少量ながら触媒被毒成分である硫黄分なども含まれる。このガスからメタノールなどの液体燃料を最も有効かつ低コストで製造する方法について、特に低圧操作の可能性の評価を中心に実施している。

 なお以上の研究は文部科学省、農林水産省の補助を受け、本学シーサイドキャンパス内の「学術フロンテイアセンター」で実施しているものである。
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研究室紹介
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熱工学研究室(旧)

教  授 藤川 卓爾

 当研究室は従来 ディーゼル機関の燃焼の研究を実施していたので,「熱工学研究室」と称している。
 現在は,ディーゼル機関以外に風車の研究も実施している。ディーゼル機関の燃焼の研究もバイオマス燃料を使用する研究を実施しているので,「自然エネルギー動力研究室」と称した方が良いかも知れない。
 さらに,最近は不倒コマ(いつまでも回り続けるコマ)の研究も開始した。
 これらを総合すると「回転機械研究室」が適当である。

■ ディーゼル機関における燃料多様化の研究

・研究背景および目的
 ディーゼル機関において,現在の化石燃料だけでなくバイオマスのガス化により生成されるメタノール等の再生可能な燃料の利用を検討する。

・バイオマス メタノール利用の課題
 メタノールは蒸発潜熱が大きいため着火遅れが長く,ディーゼル機関用燃料として使用する場合,燃料供給系などの改造が必要とされる。

・研究概要
 既製のディーゼル機関の燃料供給系の改造を行わず,メタノールを燃料として利用するために,軽油とメタノールを混合した混合燃料を使用する。混合燃料を使用したディーゼル機関の性能を明らかにし,メタノール燃焼の可能性を模索する。
 また,現在利用が拡大しているバイオディーゼル燃料(BDF)を用いる場合の運転特性を研究する。

ディーゼル機関
ディーゼル機関
ディーゼル機関断面図
ディーゼル機関断面図

■ 直線翼垂直軸型風車翼の揚力と抗力の研究

・研究背景および目的
 風力発電の普及には大型風車だけではなく,小型風車の普及が不可欠である。風向の変化が多く,乱れが大きいという日本の特殊な風況に適合した小型風車の条件を見出すために,揚力型の小型直線翼垂直軸型風車の特性試験を実施する。

・揚力型垂直軸型風車の課題
 高風速において効率が高くなる揚力型風車は,低風速における起動特性が悪い。起動特性改善のためには風車の回転部分の重量を低減する必要があるが,過度の重量低減は信頼性を損ねる。

・研究概要
 校舎屋上に設置した1.5kW直線翼垂直軸型風車の運転データを解析し,実機の運転特性を明らかにして改善点を見出す。
モデル翼の風洞試験によって,揚力型垂直軸型風車に使用する翼に発生する揚力と抗力を明らかにする。

1.5kW直線翼垂直軸型風車
1.5kW直線翼垂直軸型風車
1/10スケール モデル風車
1/10スケール モデル風車

■ 不倒コマの減速メカニズムの研究

・研究背景および目的
 過去に本学で実施した不倒コマの回転持続時間がギネス・ブックに掲載された(1994年,大気中,38分59秒)。真空中では回転持続時間が大気中の3倍以上にのびる。
不倒コマの減速メカニズムを研究して,さらなる記録更新を目指す。

・回転持続時間増大のための課題
 コマの減速には,空気の存在による抵抗と,心棒支持点の摩擦による抵抗が関係する。空気抵抗を低減するためには真空度を高めるのが効果的であるが,実際に到達できる真空度には限界がある。心棒支持点の摩擦は心棒の形状,心棒と座板の材料によって変わるが,摩擦の低減には限界がある。

・研究概要
 コマの回転数変化を精密に計測して,減速メカニズムを明らかにする。
コマの形状や質量配分を工夫することによって,同一の空気圧条件下での抵抗低減をはかる。
不倒コマ
不倒コマ
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研究室紹介
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